【世界一周終活のススメ】世界一周の遺書を書きました

先日テレビで遠洋漁師のドキュメンタリー番組を見ていました。

その番組内での数ヶ月の漁に出る漁師の言葉。

「僕は仕事に(漁に)出る度に毎回死ぬことを考えるんです。もしかしたらここに2度と戻ってこれないんじゃないか。だから今できることをしておくのです。」 

そして、まだ小さい子供をぎゅっと抱きしめてから仕事に向かう漁師。

考えさせられました、死ぬかもしれないことを。そして、僕は遺書を書くことにしました。

なぜ遺書を書くのか?

今の時代の世界一周や長期旅行は情報がたくさんネット上で転がっており、お金と時間、そして自由に何かをすることを許される環境下なら誰でもできます。

今ではドラえもんの”ほんにゃくこんにゃく”のような同時通訳をしてくれるポケトークなんて機械も販売されていますので英語や中国語をはじめとした世界74言語で会話も通じます。

たくさんの情報のもとで、安全に旅ができるわけです。

でも、やはり海外という日本での常識が通じないところでは、”死ぬ可能性”という危険が伴います。

大げさかもしれませんが、常に死んでしまう可能性があるという意識を持って旅をするべきだなと、漁師の言葉から考えさせられました。

死んでしまう可能性がある以上、旅をする前に遺書を書いておく必要があると思うのです。

もし、遺書がなければ「あの時、旅に行くことを引き止めていれば…」と家族や友人が後悔するかもしれません。僕自身、身内が亡くなったことがあり、なぜあのときどうにかできなかったのか、と後悔の気持ちは今でも残っています。

「自分が危険と分かって旅をしていること、行かなければ死ぬほど後悔していたこと、勝手かもしれないがやりたいことをやって死んだんだということ」を遺書に書いていれば、悲しむかもしれませんが、そのような後悔をさせてしまうことが無くなるかもしれません。

そして、就活ならぬ「終活」という言葉が一時期流行ったように、もし自分が死んでしまったときに家族が様々な死後の手続きをしやすいよう、自分の様々な契約しているサービスや銀行、クレジットカード、生命保険などの契約内容をまとめた書類を準備しておくべきだと思います。

世界一周終活の進め方

今回は僕が家族へ書いた遺書の大まかな内容を紹介します。

まずはお礼と旅に出たかった気持ちを

まずはお礼ですね。バカ息子ですが、ここまで生かしてもらって、結局やりたいことを最後までワガママ通してすみません、という内容です。

あとは、旅に出たくて出たこと。旅で死ぬかもしれないことは考えていたこと。それでも旅に出たかったということ。それで死んだとしても、やりたいことをできました、ということ。

これらのことを書いておけば、「あのとき旅を引き止めていれば」と家族が後悔してしまうことはなくなるかもしれません。

葬儀方法やお墓

この内容はこだわりがなければ、やりたいようにやってくれるので書かなくていいかもしれません。

でも、僕の場合は無宗教で、葬儀やお墓に対してなんのこだわりもありません。なので最低限で大丈夫という内容を書きました。

また、死んでまで面倒や高い葬儀費用、お墓といった、迷惑面倒をかけたくなかったので書きました。

位牌や遺骨は捨てていいから写真1枚くらいは残しといてね、と。

死んだことを伝えて欲しい友人や知り合いの連絡先

死んでしまったと伝えて欲しい友人、知り合いの連絡先を記載します。

健康保険証や年金手帳、保険証券、パスポート、銀行印等の重要書類の保管場所

重要な書類をどこにしまっているか記載します。いろいろと散らばっているとわかりづらいため、できる限りこれらの書類を部屋にまとめておきます。

僕の場合はダンボール1個しかないため、簡単でした。

契約しているサービス

世界一周、長期旅行をする方は、契約しているサービスは少ないかもしれません。

しかし、なにも知らない家族は分からず、不安です。死んでからお金の請求がくるため、徐々に家族はわかるかもしれませんが、なかなか落ち着くことができないと思います。

ですので、契約しているサービスの内容を書きます。

僕の場合、月契約や年契約しているサービスはAmazonプライムくらいなので簡単でした。余裕のある方は、死んだときに家族が代理で解約するために必要な書類や手続きを記載しておくと安心です。

amazonプライムはクレジットカードでの会費の引き落としがされなければ自動的に解約になるようです。amazon公式ヘルプには家族が死んだ場合の解約方法については記載されていませんでした。

携帯電話の契約の解約に必要な書類は下記のとおり。

  • 死んだことを証明できる書類((戸籍謄本、戸籍抄本、除籍謄本、除籍抄本、住民票(除票)、死亡診断書、新聞のおくやみ欄、会葬御礼の挨拶状のいずれか1つ)
  • 来店者の身分証明書
  • 携帯本体
  • 死んだ人の認印

契約しているサービス名だけでも書いておけば、家族は安心です。

銀行、クレジットカード

世界一周旅行者の場合は、銀行やクレジットカードの契約をたくさんしているはずです。 これらの契約内容をまとめ、遺書に記載します。

僕の場合は、学生時代のバイトの支払いのための口座などで契約銀行だけで6つもあるので大変です。

どの銀行がどれくらいのお金をいれて使用しているのか、残高0円で全く使っていない銀行はどれか、と記載しておく必要があります。

クレジットカードは基本的に口座振替先の銀行が凍結されれば、その情報がクレジットカード会社に報告され、使用することができなくなります。残っている支払いは債務として残るようなのでその支払いを済ませば解約となります。

家族に銀行の番号などを教え、家族が死後に引き落とした場合は、警察のお世話になる可能性があるため、銀行の手続きに従っておろしてもらうようにしておきます。

銀行のお金を相続するための書類は遺言書などの指定次第で変わります。有効な遺言書を作成するためには、遺言書のルールに沿った書類が必要となります。
死ぬ人がきちんと準備しておくべきなのは、通帳やカード、届け出印をまとめ、遺書に記載しておくことです。

最後に

自由に生きる!なんて人生を謳歌することもできるかもしれませんが、その背景にはその環境を与えてくれたたくさんの人のおかげということを忘れてはいけないと思います。

そして、死なないように注意することが大切です。

正直言って世界一周で遺書は大げさかもしれません。ただ、書いておくことは、家族への迷惑を考えれば容易いものです。 だから僕は遺書を書きたいと思います。

書いてみて思ったのが、結構これ世界一周行かない人にもオススメです。なんだか気持ちがリセットされて、改めて、自分、生きてるんだよな〜と変な気分になります。

最後にクライマー長谷川恒男さんの好きな言葉を。

生きるために努力をし、死ぬためにも努力する。自分自身を納得させるだけの人生を、生きている間に 送ることができれば、死はそれほど恐ろしくも無くなるだろう。そして、寿命が尽きた時、死も当然のこととして 受け入れられると思う。その上で、生き抜くことは冒険だよ。

-長谷川恒男さん

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